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八月(葉月)

月の名前~葉月~



八月の別名は「葉月(はづき)」。
緑濃き真夏だから、と納得しそうですが、旧暦の八月は新暦では九月末から十月。
ですので、同じ「葉」でも緑ではなく、赤や黄色に葉の色が変わる時期だからとか、葉が落ち始める時期だから、「葉月」となったといわれています。
葉が紅く色づくので「紅染月(べにそめつき)」、木立が赤く染まるので、「木染月(こぞめづき)」という別名もあります。
「初帰月(はつきづき)」や「雁来月(かりきづき)」「燕去月(つばめさりづき)」というのもあります。
燕は去り、雁が飛んで来る渡り鳥の季節でもあるのですね。
又、稲穂が実る時期だから「穂張月(ほはりづき)」、月が美しく見える月だから「月見月(つきみづき)」という別名もあります。
渡り鳥に由来した名や、稲穂や月の満ちかけなど、季節の移ろいに自然が変化していく様が、八月の名前にもしっかりと反映されていますね。


お盆



お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」です。
インドのサンスクリット語の「ウラバンナ」が由来で、それを漢字で書き表したのが、「盂蘭盆会」。なんと「逆さ吊り」という意味です。

なぜ「逆さづり」が今のお盆の行事になったのでしょうか?
それはお釈迦様の弟子の目連尊者の逸話によるといわれています。

目連は修行により、亡き母が餓鬼道に落ち、逆さ吊りの苦しみにあっていることを知ります。
目連はお釈迦様にどうしたら母を助けられるか尋ねました。
するとお釈迦様は、夏の修行が終わる旧暦の七月十五日に修行を終えた僧侶を集め、ご馳走を振舞い、供養するよう教えます。
目連はお釈迦様の教えに従い、その通りにしたところ、母親は極楽往生を遂げることが出来たということです。

それから七月十五日は、父母や先祖を供養する大切な日となりました。
その「盂蘭盆会」が日本に伝わり、日本古来の祖霊信仰や農耕祭礼などと融合し、日本のお盆の風習となりました。

日本で行われるようになってから、お盆行事は旧暦の七月十五日前後で行っていましたが、 現在では一月遅れの八月十五日前後が一般的となっています。
この時期の違いは地方によってまちまちです。

実は明治になって新暦が採用されましたが、新暦の七月十五日は農業では最も忙しい時期。
当時国民の八割を占めていた農家の人々にとって、お盆がこの日では都合が悪かったのです。
それで一月遅れで夏休みもとりやすかった八月十五日にした地域が多く、現在ではお盆は八月が一般的になったのです。
こういったところ、日本人は実に柔軟な思考をするのだなあ、と感心します。


迎え火、送り火、精霊流し



お盆の行事として、十三日の夕刻に先祖や亡くなった人の霊が、道に迷わず帰って来られるように、 家の前に盆提灯を灯し、庭先におがらを焚いて迎え火とします。
お盆の間は祖霊は家に滞在してもらい、十六日の夜には送り火を焚いて、お帰りいただきます。
有名な京都の大文字焼きは、正式には「五山の送り火」。お迎えした祖霊を山にお送りする送り火なのです。

九州地方の一部では、送り火の一種として精霊流しが行われます。
灯籠流しとも言われ、お盆最終日に、祖霊にナスやきゅうりなどの供物、故人が好きだったものを精霊船に乗せて海や川に流します。
故人に供物を贈るためと、又これらを海や川に流すことで、けがれを流し清める意味もあるともいわれています。

精霊流しで有名なのは長崎県です。
初盆を迎えた故人の家族が精霊船をつくり、夕刻から町中を練り歩き、故人の霊を極楽浄土に送り出すのですが、実に派手でにぎやかです。
精霊船が通る際には、爆竹や鈴が鳴らされたり、「ドーイドーイ」という掛け声が掛けられ、夜には花火が上がります。
他の地域のしめやかなお盆行事と比べ、長崎の精霊流しは一見お祭りのようです。
ここの精霊流しは「中国の彩船流し」の影響を強く受けています。
爆竹が鳴らされるのも、中国の慣わしで、爆竹には魔除けの力があると考えられており、精霊船が通る道を清めるためなのだそうです。

今も残るお盆行事はどれも亡き人を想い、その霊を大切に弔う気持ちから行われてきました。
どのような形でも繋いでいけるとよいですね。


西瓜(すいか)と鬼灯(ほおずき)



八月葉月は旧暦では秋、二十四節気では立秋と処暑にあたります。
秋の気配が見え隠れする時期で、立秋を過ぎるとどんなに暑くても名残の残暑です。

しかし、まだまだ暑い盛り。
しっかり水分を取って熱中症を防がねばなりません。
こういう時には西瓜をどうぞ。
現在では西瓜は初夏から出回っていますが、実はその一番の旬は八月半ばの立秋を過ぎた頃。
なので俳句の季語では、西瓜は秋の季語です。

昔から西瓜を食べる際には甘みが増すとして食塩をかけましたが、これは栄養学的にも大変よいのです。
西瓜には水分と糖分とミネラルがたっぷりの上、そこに塩分が加われば、まさに天然のスポーツドリンクとなります。
又、西瓜にはβカロテンやシトルリンも多く含みます。
免疫機能を向上させ、血液の流れもよくしてくれますので、むくみや冷えも解消してくれます。
旬のものを食べることは実に理にかなっていて、自然に医食同源になっていたわけです。

お盆には、迎え火や提灯の灯りを目印に精霊が帰ってきます。
鬼灯はその形と赤い色から提灯に見立てられ、盆棚によく飾られます。
収穫物が未だ少なかった時代には、鬼灯の鮮やかな赤は、お供えの彩りとなってきたのだと思います。
日本では観賞用としての扱いでしたが、ヨーロッパなどでは食用として栽培されてきました。
日本でも最近珍しいフルーツとして栽培されるようになってきました。
食用ほおずきには、コレステロール値を減らす働きがあるイノシトールやビタミンA、鉄分もたっぷり含まれています。
夏の疲れた体に、お盆のお下がりにご先祖様からの贈り物として、鬼灯をいただくのもよいかもしれませんね。


おうちで楽しむ西瓜

西瓜(すいか)柄小風呂敷タペストリー



まだまだ残暑厳しい折、壁の西瓜を見ながら、本物の西瓜にかぶりつくのもまた一興。


西瓜(すいか)柄ブックカバー



八月はまとまった夏休みが取れる時。
西瓜でも食べながら、読みたかった本にカバーをかけて、じっくり読書にいそしんではいかがですか?
もちろん、おやつはよく冷やした西瓜で♪



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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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