日本文化の「道」10
日本の「華道」

「華道」は、花や草木などの植物を組み合わせて生け、その姿を鑑賞する日本発祥の芸術で、「生け花」とも呼ばれます。
「華道」には様々な流派があり、その様式や技法は各流派ごとに違いますが、基本は自然の美しさを花や草木で表現しようとするものです。
そして華道を学び続けていくと、次第に美意識や芸術性だけでなく、自然との調和や己の精神性を高めることにもなっていきます。
華道の主な流派
池坊(いけのぼう)

室町時代に始まった生け花の根源とされる最も古い流派です。
自然の姿を尊重し、ありのままの姿を活かした中に美を見出すことが理念です。
技法の基本としては、主に立花・生花・自由花があります。
小原流(おはらりゅう)

明治時代末期に生まれた、西洋の花や剣山を取り入れた革新的な流派です。
水盤に置いた剣山に花を盛るように生ける「盛花」をはじめ、日常に取り入れやすい実用的な生け方が特徴です。
草月流(そうげつりゅう)

草月流は昭和に創始された、従来の型にとらわれない革新的な流派です。
草月流の特徴は個性や創造性を重視し、従来の形式にとらわれず、自由で斬新な発想を大切にすることです。
その他の流派
現在、日本には池坊、小原流、草月流の三大流派以外にも、嵯峨御流、未生流、古流、龍生派など、300以上の流派があります。
華道の歴史

古来より日本には、草木などの自然にあるものにも神が宿るという自然信仰がありました。
仏教と共に日本に伝わった、仏前に花を供える「供花」は、次第に日本の自然信仰と融合していきます。
寺院の供花の花は、神仏に捧げるものでしたが、室町時代に書院造りと床の間が生れたことで、空間を飾り、観賞するものへと変化していきます。
この時代に、六角堂(頂法寺)の僧侶である池坊専慶の花が評判となり、のちに次世代の池坊専応らにより、理論や思想が体系化されていきました。
このようにして確立された格調高い様式を「立花」といいます。

安土桃山時代になると、千利休らにより茶の湯が侘び茶として深化し、「茶花」が生れました。
「花は野にあるように」という利休の言葉通り、茶の湯の花は、ありのままの簡素で素朴な美しさが好まれました。
江戸時代になると、貴族や武家のものだった華道は、庶民の間にも普及していきます。
この広がりに合わせ、格式に拘らず、簡素で飾りやすい「生花」が生まれ、池坊以外に多様な流派が生まれました。
近代になると、文明開化と共に西洋の華やかな洋花が取り入れられ、小原流をはじめ、新しい生け方や表現方法が生まれ、今に続いています。
「華道」と「フラワーアレンジメント」

日本の華道と、欧米のフラワーアレンジメントとの違いは何でしょうか?
日本の華道は、基本的には正面から観賞することを想定して生けます。
欧米のフラワーアレンジの多くは、360度全方位のどこから見ても同じように出来あがるのを好みます。
また、華道は、空間との調和の美を求める、いわゆる引き算の美学です。
それに対し、フラワーアレンジメントは、どちらかといえば花で空間を埋める足し算の美学ではないでしょうか。
日本のデザインや様式には、何もない余白が主役を引き立てる効果があり、何もない余白自体の存在も端正です。
欧米の華やかなフラワーアレンジメントも素晴らしいのですが、華道には日本の余白の美が生かされているように感じます。
花いっぱいの風呂敷
花いっぱいの風呂敷を使うと幸せな気持ちになります。
中でも浅山美里さんデザインの「花かご」
は、包むと立体的になり、本当に花かごに花が溢れているように見えるスグレ物です。
