野毛の家　　事務所兼用住宅として建てられた４階建ての建物を２世帯住宅にリノベーション。

平成29年1月
神奈川県横浜市
写真:D-Style

事務所兼用住宅として建てられた4階建ての建物を、2世帯住宅にリノベーションをしたプロジェクトです。

二世帯住宅を考えるときに、まっさきに考えること。それは各家庭の「距離間」です。
それぞれの家庭の優先順位や考え方。それらがどれほど近くて、どれほど異なっているのか。
近ければよくて、遠いとだめというわけではありません。
お互いの家庭がお互いに心地よく住まうことができる「距離」を一緒になって考えていくことがとても大切なのです。

また、将来のことも核家族の家づくりよりも考えておかなくては行けません。20年後、30年後に家族構成が変化していくことが容易に想像できるのが二世帯住宅です。

家づくりは家族のコミュニケーションを増やす大切な機会です。
ご家族全員で会話をしながら計画を進めていきたいですね。

場所は横浜の中でも特徴的な歴史のある飲食店街。
建物の周りは夜になると活気付いていきます。
そんな猥雑とした街の空気を遮って、家に一度足を踏み入れた瞬間に雰囲気が変わるようにします。

「家」はそこに住む人の「好き」で囲まれていてほしいと思います。
好きな色。
好きな雰囲気。
好きな物。。

フロアごとに世帯が別れて、階段でつながる二世帯住宅では、
それぞれのフロアに、それぞれの家庭の「好き」が現れていきます。

雰囲気の異なる空間が一つの建物に積み重なっていく。
素材も色もそれぞれの家庭の好みが反映されていきます。

重箱のお弁当がそれぞれの段を開けるごとに、様々な具材が現れて雰囲気が変わっていくように、
静かで穏やかな雰囲気を持つ親世帯の空間と、華やかで優しい雰囲気を持つ子世帯の空間が、
積み重なってひとつの家となっています。